箱根駅伝のコースを楽しむ

箱根駅伝のコースを楽しむ
 箱根のお正月を代表する恒例行事と言えば「箱根駅伝」だ。正式には「東京箱根間往復大学駅伝競走」と言う。第1回が開催されたのは1920年。来年は101回目となる文字通り歴史のある恒例行事だ。
 今回は、この駅伝のコースである国道1号線を辿る観光タクシーを紹介する。
 箱根湯本駅を出発すると環翠楼、一乃湯本館などの歴史的な建造物が視界に入ってくる。古い旅館が多い箱根らしい風景。浮世絵にも描かれている場所だ。
 宮ノ下で国道1号線は左に直角に曲がるが、ここで富士屋ホテルに立ち寄り、館内のミュージアムとギャラリーを見学する。歴代の社長の写真や当時使われていた備品や調度品、年表などの資料が展示されているので、歴史に興味のある方にはお薦めだ。
 2階バルコニーからは富士屋ホテルを構成する本館、花御殿、西洋館、食堂棟を見ることができる。時間があれば富士屋ホテル周辺の街並みの散策も楽しい。
 富士屋ホテルの後は「小涌谷踏切」、1号線最高点874メートルの標識を過ぎる。その先で車を降り、二十五菩薩を見学しよう。
 1293年に彫られた石仏群だ。東側の岩に3体、西側の岩に23体の石仏が並んでいる。700年前はこの周辺は噴煙が上がっており、旅の安全を祈願して彫られたものらしい。
 少し足を延ばせば、3.2メートルの巨大な六道地蔵の姿も見ることができる。
 二十五菩薩を楽しんだ後は元箱根までの標高差150メートルを一気に下る。
 元箱根からは平坦な道を進み、箱根町港の交差点を右に曲がると往路のゴール。
 ゴール横の「箱根駅伝ミュージアム」に入館しよう。「箱根駅伝」のこれまでの写真や記録、関係資料などを集めた唯一の駅伝の博物館だ。 「箱根駅伝ミュージアム」を楽しんだら、旧道経由で箱根湯本まで下る。
 各地点での滞在時間にもよるが、2時間30分前後の行程だ。他にもお薦めの場所があるので、乗務員に相談すると良いだろう。

※上記内容は本紙2024冬号第一版・2024冬号第二版に掲載した記事に加筆修正を加えたものです。